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2007年12月 アーカイブ

2007年12月07日

債務整理-自己破産のメリット、デメリット

自己破産は多重債務や超過債務の返済能力がない債務者には最高のメリットのある債務整理の方法ですが、一方ではデメリットもあります。

先ずメリットですが、裁判所へ自己破産の申し立てを行うと金融業者をはじめ全ての債権者からの取り立てが停止し、また、自己破産が確定すると債務者は全ての債務から免責され借金から開放されます。

一方デメリットは、自己破産の申し立てを行うと債務者は自己破産が確定していなくてもブラックリストにのってしまい一定期間は新たな借金はできず、また自己破産が確定すると生活に最低限必要な財産以外の有価財産は全て放棄しなければなりません。

このように自己破産による債務整理はメリットとデメリットがありますが、自己破産は人生の出直し、やり直しができる制度と捉えるならば自己破産ですっきりと債務整理を行うべきです。

自己破産による債務整理ができない場合

債務整理の方法のうち自己破産は借金返済で苦労している人たちとっては借金苦から解放される最も効果のある方法ですが、自己破産による債務整理にはできない場合があります。

すなわち、ギャンブルや浪費などが借金の主な原因の場合はできませんし、ギャンブルなどが原因でない借金であっても債務返済の能力がある場合は自己破産による債務整理はできません。

また、債務者が自己破産の申し立てを行うまでの7カ年にわたって債務の免責を受けたことがある場合も自己破産による債務整理はできません。

以上のうちどれかに該当すれば自己破産はできませんが、それでも何とか債務整理をしたいという場合は、債務整理には任意整理、特定調停、個人再生(民事再生)という方法もありますので、その中から最適な方法を選べば良いでしょう。

債務整理-自己破産を申し立てる前に

債務整理のうち自己破産は、財産権を全て失うことを覚悟すればあらゆる債務がなくなるという法制度であり、債務者が裁判所に申してを行い、裁判所が法に照らして決定するのですが、裁判所に申し立てる前に確認しておくことがあります。

第1に、債務返済が全くできないことが自己破産の要件ですので債務返済能力を確認する必要があります。

第2に、債務返済が全くできない状況であっても、借金の主因が無駄遣い、贅沢、ギャンブルなどである場合や、以前に債務整理を行って債務が免除されたことがあれば、その時点から自己破産の申し立を行うまで7年間を超えていない場合では自己破産は認められませんので、こうしたことも自己破産を申し立てる前に確認しておく必要があります。

第3は連帯保証人がいるときのことですが、そもそも自己破産が認められるのは債務者本人であって連帯保証人には認められないため、場合によっては連帯保証人も債務整理を行う必要がでてくるかも知れませんので、自己破産をの申し立てる前にその旨を連帯保証人にきちっと伝えておく必要があります。

債務整理-自己破産するとどうなるか

多重債務などにより借金の返済ができない場合の債務整理の方法は自己破産が適切ですが、自己破産をすると借金と財産はどうなるでしょうか?

先ず、自己破産をすると借金はどうなるかと言えば、自己破産をすると全ての債務は免除されますが、自己破産をしてから最長で7年の間は新たな借金はできませんし、債務に保証人がついている場合は保証人の債務は免除されません。

次に、自己破産をすると財産はどうなるかと言えば、債務整理を自己破産ですると裁判所が指定した破産管財人が債務者の財産を管理し債権者に対して支払うことになるのですが、生活に最低限必要なものや換金できないものは債務者の手元に残りますし、破産後に新たな財産を取得することができます。

債務整理-グレーゾーンを知って借金返済

私はいくつかの消費者金融とノンバンクで多重債務により生活苦に喘いでいたのですが、グレーゾーンのことを知って債務整理を行い借金返済ができました。

グレーゾーンとは利息制限法の上限金利を上回ってはいるが出資法の罰則規定には触れない範囲で設定された金利のことです。

つまり、利息制限法では上限金利(10万円未満で20%、10~100万円未満で18%、100万円以上で15%)を上回るが金利は無効とされますが罰則はなく、一方の出資法では29.2%を上回る金利には懲役などの罰則規定があり、グ レーゾーンとは出資法の罰則規定から逃れながら利息制限法の盲点をついている金利なのです。

私はある時にこのグレーゾーンのことを知って債務の金利を調べてみたら全てがこのグレーゾーンであることが分かりました。

そして、このことがきっかけとなりある司法書士さんに依頼して特定調停で債務整理を行い、これまで払っていたグレーゾーンの金利分を過払いとして処理することにより借金返済が無事にできたのです。

多重債務で借金返済に悩む皆さんはグレーゾーンや債務整理について知ってください。

2007年12月11日

特定調停による債務整理

サラ金や街金などの金融業者から多重債務を負って返済が著しく困難な債務者の多くは金利がグレーゾーンで設定されていますが、そんなときは特定調停による債務整理を行うのが適切です。

特定調停とは裁判所が選任した調停委員が債務者と債権者との間に入って債務者の今後の借金返済についての話し合いを調整してまとめる制度であり、合意した債務整理の内容は法的効力のある調停調書に記載されます。

特定調停ではグレーゾーンによる金利を利息制限法の上限金利の範囲内で引き直して債務の支払額の再計算を行いますので、グレーゾーンの金利による過払い金は元金返済に編入され、場合によっては債務がゼロとなります。

なお、特定調停による債務整理は債務者個人でもできますが、関連する法律や金融業者への知識が豊富な司法書士や弁護士に依頼して行うのが無難です。

債務整理-任意整理と特定調停の違い

金利が利息制限法の上限を上回っているが出資法の罰則規定の金利は下回っているという、いわゆるグレーゾーンが原因で借金返済が困難な場合の債務整理は任意整理と特定調停のどちらかで行われますが、両者の違いは主にどのような点にあるのでしょうか?

第1は債務者の借金返済能力による違いであり、任意整理は借金返済能力の有無にかかわらず債務整理ができますが、特定調停は債務者が超過債務などにより返済が不能となる恐れがないとできません。

第2は法的効力の違いであり、任意整理は債務者と債権者の私的な話し合いであるため法的効力はありませんが、特定調停は債務者と債権者の話し合いを裁判所が仲介するという法的措置であるため両者が合意した債務整理の内容は調停調書に記載され法的効力を発揮します。

特定調停で債務整理を行うには

債務整理の方法は自己破産、個人再生、任意整理、特定調停の4つがありますが、債務者がグレーゾーンと呼ばれる高金利で借金返済が不能となるおそれがある場合の債務整理を行うには特定調停が有効です。

特定調停とは、特定調停法及び民事調停法による債務整理の法的措置ですが、特定調停で債務整理を行うには債務者が貸主の住所所在地管轄の簡易裁判所に申立を行わなければなりません。

また、特定調停は簡易裁判所が債権者と債務者の話し合いを仲介して進めますが、裁判所は両者を調停するのであり債務整理を決定するのではないため、債務者が特定調停で債務整理を行うには債権者の合意が必要となります。

なお、特定調停による債務者と債権者との合意を有効なものにするには裁判所が両者合意に基づいて作成する調停調書が必要です。

債務整理を特定調停で行う

債務整理を特定整理で行うにはどうするかについて、手続き、費用、期間の3つから整理しました。

先ず手続きを行うには、必要な書類(特定調停の申立書、特定債務者であることを証明する資料、住民票・戸籍謄本、所得証明、債権者一覧、金融会社との契約書など)を作成して貸主の事業所の住所を管轄する簡易裁判所に提出します。

次いで債務整理を特定調停で行うのに要する費用は、裁判所に支払う申立手数料と切手代であり、申立手数料は1件につき最低300円ですが、債務額や調停の内容などにより異なりますから裁判所に聞いてみると良いでしょう。

また、債務整理を特定調停で行うのに要する期間ですが、申し立てを行ってから3ヶ月程度というのが一般的です。

債務整理における特定調停の目的

債務整理における特定調停は、民事再生法及び特定調停法による法制度であり、法における目的は特定債務者の経済的な再生に繋がるためになされる、債務者と債権者等との利害関係の調整に関する民事調停です。

特定債務者とは、多重債務や超過債務を負い、返済不能になるおそれがある個人や法人を指しており、特定調停法では、特定債務者が債務整理を目的として特定調停の申し立てを行うことが法適用の前提となっています。

特定調整法におけるこのような目的を踏まえて特定調停の制度を分かりやすく言うと、大きな負債を抱えた人や企業が再起不能になってしまう前に、法によって債務整理を助けて、経済的に立ち直れるようにしてあげることと言うことができます。

特定調停で債務整理ができる債務者は?

特定調停で債務整理ができる債務者は、多重債務や超過債務に陥ってしまった人が多いのですが、特定調停の法制化の出発点においては個人の債務整理は対象となっていませんでした。

なぜなら、法制化の出発点は、バブル経済に起因する不良債権の処理問題の深刻さが年々増していった1990年代だったのであり、法制度で債務整理ができる債務者は主にゼネコンだったからです。

しかし、この考え方は国会や世論の反発を招き、当時全国的に広がっていた債務超過の問題を解決するためには債務整理を広く促進することが必要という意見も強くなったことから、これを踏まえて現行の特定調停法が誕生し、特定調停で債務整理ができる債務者は個人及び企業となったのです。

債務整理-特定調停法とは

最近、債務整理における制度で広く利用されるようになった特定調停とは特定調停法(「特定債務等の調整の促進のための特定調停に関する法律」)に基づく制度であり、さらに特定調停法とは一言で言うと債務返済で苦しむ人や企業が債務整理をスムーズにできるための法律です。

特定調停法が施行されたのは平成12年ですが、平成12年とは不良債権問題のまっただ中にある頃であり、このことから分かるように、特定調停法とは、もともと、バブル経済の崩壊で多大な債務を背負ってしまった企業や個人が債務整理を円滑かつ速やかに行い、たくましく再生していくためにつくられた法律なのです。

なお、法律のもともとの考え方は不動産バブルが原因の不良債権の処理だったそうです。

債務整理のために特定調停ができる者

平成12年に特定調停法が施行されて以来、債務整理のために特定調停の申立を行う者(個人・法人)は年々増加していますが、特定調停ができる者は同法の規定により「特定債務者」です。

この「特定債務者」とは、法第2条でいう「金銭債務を負っている者であって、支払不能に陥るおそれのあるもの若しくは事業の継続に支障を来すことなく弁済期にある債務を弁済することが困難であるもの又は債務超過に陥るおそれのある法人」ですが、ポイントは、個人の場合は債務を抱えおり返済ができなるなりそうな状態であること、法人の場合は債務の総額が資産の総額を上回りそうな状態であることです。

つまり、債務整理のために特定調停ができる者は、返済能力がある程度以上に弱くなってきている個人か、負債がある程度以上に膨れあがってきている法人であるということであり、この条件からすれば、債務整理のために特定調停ができる者の範囲は決して狭くはありません。

ですから、特定調停の申立を行う者が年々増加しているのです。

債務整理-特定調停のメリット

最近、特定調停により債務整理を行う人が増えていますが、特定整理には次のようなメリットがあります。

先ず挙げることができるメリットは、債務者が特定調停の裁判の手続きを行うと債権者は支払請求を停止しなければならいことであり、債務者は悪質で執拗な取立てから開放されて債務整理に集中できます。

次に挙げられるメリットは、特定調停は裁判所が債務者と債権者の間に立って調停してくれるため、債務者は債権者の手練手管で右往左往することなく債務整理の話し合いができるということです。

そして、何よりも最大のメリットは、金利が利息制限法の上限金利よりも高いが出資法の罰則規定よりは低いという、いわゆるグレーゾーンの金利で契約した負債が特定調停により減額されたりなくなったりすることです。

債務整理-特定調停のデメリット

特定調停は悪質な金融業者から掛けられた違法な高金利で謝金返済に喘ぐ債務者にとっては救いとなる債務整理の制度ですが、一方で特定調停にはデメリットもあり、主なものは下記の2点です。

第1のデメリットは、特定調停の手続きを行うと債務者はブラックリストに載ってしまい、一定の期間は新たなローンを組むこともレジットカードを使うこともできなくなるということです。

第2のデメリットは、特定調停は裁判所の調停委員が債務者と債権者の話し合いを仲介して合意した債務整理の内容は調停調書に記載されるのですが、この調停調書は新たな債務名義となるために債務者が支払いを遅延した場合は延滞金が課せられますし、支払いを滞らせた場合は給料の差し押さえなどの強制執行が行われたりすることです。

2007年12月15日

債務整理における特定調停の申立

悪質な金融業者がよく使うグレーゾーンの金利で借金返済に苦しむ人たちの債務整理には特定調停が有効ですが、債務整理における特定調停の申立は債務者が貸主の住所所在地を管轄する簡易裁判所に対して行います。

また、特定調停の申立における必要書類は、申立書、債務者の財産の明細書、債務者が法で定められた特定債務者である根拠となる資料、 債権者など関係する権利者の一覧表などであり、裁判所は必要書類に不備がなければ特定調停の申し立を受理することになります。

なお、特定調停は、債権者が債務者との債務整理の合意に応じなければ成立しませんので、その場合は任意整理、個人再生、自己破産といったほかの方法で債務整理を行うことを考える必要があります。

2007年12月17日

債務整理における特定調停で注意すべきこと

債務整理における法的措置は個人再生(民事再生)、自己破産、特定整理の3つがあり、金融業者のグレーソーン金利で借金返済に苦労している債務者の適切な債務整理の方法は特定調停ですが、特定調停には注意すべき重要なことがあります。

先ず注意すべきことは、特定調停の申立を行うことができるのは「支払不能に陥るおそれのある」(特定調停法)債務者であることであり、支払不能になるおそれがない場合は特定調停以外の方法で債務整理をしなければなりません。

特定調停で次に注意すべきことは、裁判所の調停で債務者と債権者が債務整理の話し合いが行われたとしても、債権者が特定調停による債務整理について合意しなければ特定調停は成立しないということです。

また、債務者と債権者の合意は裁判所の調停調書に記載されますが、この調停調書は法的な効力がありますので厳守しなければならないということも、債務整理における特定調停で注意すべきことです。

特定調停による債務整理にはメリットとデメリットがある

特定調停は多重債務や超過債務で苦しんでいる人の味方となる債務整理の方法ですが、特定調停による債務整理にはメリットとデメリットがあり、主なものは次のようになります。

先ずメリットには、特定調停の裁判手続きを行うことにより債権者からの取立てが停止することと、特定調停による債務整理が整えば借金の減額などにより計画的な返済ができるようになることが挙げられます。

一方の特定調停による債務整理のデメリットには、特定調停の手続きを行うと債務者は債務整理ができていなくても名前がブラックリストに載ってしまうことです。

また、特定調停による債務整理が合意された場合に裁判所が作成する調停調書は新たな債務名義となるため、債務者が返済の遅延や滞りを起こすと強制執行がされてしまい、場合によっては給料が差し押さえられてしまうということもデメリットとして挙げられます。

このように特定調停による債務整理にはメリットとデメリットがありますので十分に検討することが必要です。

債務整理-特定調停の強制力

債務整理を特定調停で行う場合は制度的に強制力があるものとないものがありますので注意すべきでしょう。

先ず強制力があるものは、債務者が特定調停の裁判の手続きを行うと債権者は取立てができなくなるということ、債務者と債権者が特定調停により債務整理の合意をした場合に裁判所が作成する調停調書は新たな債務名義となるために支払いの停滞などで債務者が強制執行できることです。

一方、特定調停の強制力がないものは、債務者が裁判所に特定調停の申立を行ったとしても債権者には特定調停による債務整理の合意に応じる義務がないことです。

このように特定調停には難しいところがありますので、特定調停の経験が豊富な司法書士や弁護士によく相談することが肝要です。

債務整理-特定調停における給料差し押さえ

借金返済が滞ると債務者は給料を差し押さえられることがありますが、それでは、特定調停で債務整理を行う場合の給料の差し押さえはどうなのでしょうか。

先ず、特定調停の手続きをする前の給料差し押さえについてですが、債務者が給料差し押さえの停止を裁判所に願い出て、裁判所が特定調停による事件解決が適当でありかつ特定調停の手続きのためには給料差し押さえを停止すべきと判断した場合は給料差し押さえが停止します。

次に、特定調停が整った後の給料差し押さえに関しては、裁判所は債務者と債権者が合意した債務整理の内容を調停調書に記載しますが、この調停調書は法的根拠のある債務名義となりますので、債務者が支払いを停滞させた場合には給料差し押さえなどの強制執行がなされます。

ですから、特定調停で債務整理ができても給料差し押さえの可能性はあるのです。

2007年12月24日

債務整理で特定調停ができること

多重債務や超過債務で悩む人は特定調停により債務整理を行うべきですが、債務者が特定調停でできることを整理すると次のようになります。

すなわち、特定調停の裁判手続きを行うことで債権者の取立てを停止することができ、債権者に対して取引の履歴の開示を要求すること、グレーゾーンにある金利の支払い分の元金充当などによる借金減額や債務整理以降の金利の支払いをなくすことができます。

さらに、債務整理で特定調停ができることは、競売の停止や給料差し押さえの停止、住宅ローンなどの債務を残したままでの債務整理や財産を残したままでの債務整理などもあります。

なお、債務整理で特定調停ができることは債権者にもあり、その最たるものは特定調停に合意しないことであり、債権者の合意がなければ特定調停は成立しないのです。

債務整理-自己破産ではできないが特定調停ではできること

多重債務など債務が深刻になった場合では自己破産か特定調停により債務整理を行うべきですが、自己破産ではできない債務整理が特定整理ではできることがありますので注意してください。

先ず、自己破産では債務の主な原因が賭博や奢侈、浪費の場合は裁判所に自己破産を認めてもらうことはできないのですが特定調停ではそのような制限はなく債務整理ができるのです。

次に、自己破産では必要最低限を除いた財産の所有を維持することはできないのですが、特定調停では維持することができるのです。

また、自己破産では居住用のマンションなどの不動産を守るためにその支払いローンを維持することはできなのですが、特定調停ではこのような一部の債務を残したままでの債務整理ができるのです。

債務整理における特定調停の申立の特徴

債務整理における特定調停の申立は特定調停法で規定されていますが、その特徴は、裁判所が特定調停の申立が妥当であると判断し、さらに特定調停の調整をするには既に実施されている民事執行を停止することが必要と判断した場合は民事執行の停止を命じることができることです。

つまり、特定調停の裁判手続きがなされると、特定調停が終了するまでの間は、債務者は執拗な借金取立てに怯えたり、財産の競売による生活不安にかられたりすることなどがなくなる-というのが債務整理における特定調停の申立の特徴なのです。

また、借主(債務者)が特定調停の申立を行う場合は、貸主(債権者)の住所所在地管轄の簡易裁判所に対して行わなければならないということも、債務整理における特定調停の申立の特徴です。

なお、貸主が複数いる場合は、その事業所が最も多い地域の簡易裁判所に申立を行うというのが一般的なやり方です。

債務整理-裁判所の特定調停の仕方

借金返済が不能になる恐れがある場合の債務整理の仕方は、裁判所に特定調停を申立てて裁判所の仲介で行うのが適切ですが、裁判所の特定調停の仕方は民事執行の停止と調停委員会の設置の2つが中心となります。

裁判所の民事執行の停止の仕方は、裁判所が特定調停による債務整理の話し合いを進めるためには必要であると判断した場合に、特定調停法第7条1項に従い民実執行の停止を命じるというものです。

また、調停委員会の設置の仕方は特定調停法第8条に規定されており、特定調停による債務整理に関して専門的な知識や経験のある者から裁判所が指定して組織しますが、実際は、地方裁判所ごとに、関連の様々な団体から推薦を受けた民事調停委員が既におり、裁判所がその中から適切な調停委員を選んで組織しているようです。

債務整理-民事執行の停止は特定調停

金融業者のしつこくて陰険な借金取立てや債権者による財産の差し押さえ、給料の差し押さえなどの民実執行の停止は債務者の心の安定や生活の維持にとってとても大事なことですが、債務整理を特定調停で行うと、そうした民事執行は停止します。

つまり、特定調停の根拠である特定調停法では、第7条において、特定調停の申立を受けた裁判所が特定調停による債務整理が適切であり、民事執行が実施されると特定調停による債務整理の妨げとなるため特定調停の終了までは民事執行の停止が必要等と判断すれば民事執行の停止を命じることができるのです。

ただし、第7条では給料の差し押さえなどの民事執行の停止については規定しておりませんので、裁判所に別途願い出ることなどが必要となります。

また、一般的に民事執行の停止には担保を差し出すことが必要ですが、特定調停では裁判所が判断すれば担保がなくても民事執行の停止はできます。

2007年12月26日

債務整理における特定調停の権限

特定調停による債務整理は裁判所が調停委員会を組織して行いますが、調停委員会の権限にはかなり強いものがあります。

調停委員会は、債務整理の調停で必要がある場合は特定調停の申立を行った者(当事者)及び債権者などの債務整理に関係する者(参加人)に対して必要な物件や文書などの提出を求めることができる権限を持っており、提出を求められた当事者及び参加人が正当な理由がないにもかかわらず提出をしない場合は裁判所により10万円以下の科料に処せられます。

また、調停委員会は、職権により当事者及び参加人などに対して事実調査や証拠調べを行うことができるという権限を持っており、特定調停を行うのに必要な物件や文書などが失われた場合には調停委員会による独自調査が実行できるのです。

特定調停による債務整理の成立

特定調停による債務整理とは、放置しておくと借金返済が不能になるおそれが強い、いわゆる特定債務者の経済的再生を公正に行うこと目的とした法制度であり、このことが特定調停による債務整理の成立の要件となります。

ですから、特定調停では、合意した債務整理の内容が債務者の債務が圧縮されないとか、合意した内容が一部の債権者にのみ有利であるとかなど、特定調停の目的には沿わない合意は成立しません。

また、特定調停では調停委員会や裁判所が定債務者の経済的再生の公正な実施を旨として特定債務者と債権者等による話し合いを積極的に仲介するのですが、裁判所は特定調停による債務整理の成立が見込めない場合は、特定調停が見込めないものとして特定調停を終了させることや、17条決定と呼ばれる特定調停に代わる決定を行うことができます。

なお、17条決定の場合は当事者が2週間以内に意義の申立を行わないと自動的に成立します。

債務整理における特定調停の効力

債務整理における特定調停の効力は、裁判所の調停により債務者と債権者の合意が成立して調停調書が作成された場合は有効となります。

つまり、調停調書は裁判における和解と同じ効力を発揮するのです。

また、裁判所は特定調停による債務整理が成立しないと判断すると17条決定(特定調停に代わる裁判所の決定)をすることができるのですが、この決定は当事者である債権者及び債務者がこの決定を受けてから2週間以内に意義の申立を行わないと効力を発揮します。

次に、債務整理における特定調停の効力がないことについてですが、特定調停が不成立となった場合は当然のことですが特定調停の効力はなく、特定調停の手続きを行う前の債務関係がそのまま継続します。

また、17条決定に対して当事者から意義の申立を行った場合には決定の効力は認められません。

2007年12月27日

債務整理における特定調停の実態

債務整理における特定調停は、特定調停法が施行された平成12年以降急激に増えていき、平成14年頃までには裁判所の特定調停による債務整理の処理の方法が概ね確立されたと言ってよいのですが、それではその実態はどうでしょうか?

裁判所の特定調停では、先ず、債務者の支払額については、債務者の収入や支出の実態を踏まえて債務者が可能な毎月の債務支払額の割り出しを行って、比例配分により各債権者への毎月の債務支払額を算出します。

次に各債権者の債権額についてですが、裁判所は利率の実態を利息制限法に照らし合わせて引きなおしを行い、以後の元本の利息と遅延損害金の合計額を固定してしまいます。

また、上記の債務額では将来の利息は含めないというのが裁判所の特定調停による債務整理の処理の実態です。

債務整理-裁判所における特定調停

裁判所が債務者と債権者との債務整理の話し合いを調停して債務者の経済的な再生を促進することを骨子とする特定調停は、平成12年にスタートしてから約2年後に裁判所における個人の債務者に関する債務生理処理の方法ができました。

すなわち、裁判所における特定調停では裁判所が調停委員会を組織し、全部で3回の調停期日を設けて債務整理を進めます。

裁判所は第1回調停期日を定めて債務者(申立人)呼び出し、さらに債権者にはその日までに取引の経過説明と利息制限法に準拠した利息の引直し計算の提出をさせます。

調停委員会における特定調停の進め方は、第1回期日では債務者から聴取した家計の実態から債務支払の原資を確定し、第2回調停期日で調停条項の案を作り、第3回調停期日までに各債権者への提示と意向の聴取を行います。

そして第3回調停期日における調停委員会で債権者間の調整を行った上で、多くの場合は「17条決定」(特定調停に代わる裁判所の決定)をします。

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